受賞者について

第26回地球環境大賞 受賞者

< 第26回地球環境大賞 受賞者一覧 >
地球環境大賞

富士通株式会社

窒化ガリウムを活用した世界最小・最高効率のACアダプター開発 -温室効果ガス削減への貢献-

経済産業大臣賞

積水ハウス株式会社

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)「グリーンファースト ゼロ」の普及推進

環境大臣賞

レンゴー株式会社

ハード・ソフト両面におけるCO2 排出削減と全工場でのFSC認証取得

文部科学大臣賞

香川県立多度津高等学校

工業科と水産科を持つ地域の専門高校が環境プロジェクトを多面展開

国土交通大臣賞

大和ハウス工業株式会社

サステナブルな街づくりへ 日本初のネット・ゼロ・エネルギー・タウン(ZET)を実現

農林水産大臣賞

鹿島建設株式会社

環境共生型まちづくりで地域が支える農業(CSA)の取り組み

日本経済団体連合会会長賞

大日本印刷株式会社

窓に使用して室内を明るくする「DNP 採光フィルム」と、多機能化の取り組み

フジサンケイグループ賞

キリンホールディングス株式会社

アルミ缶などで国産最軽量を達成 ビール類の容器包装における軽量化の取り組み

奨励賞

アエラホーム株式会社

省エネ基準を大幅にクリアした超省エネの長寿命住宅「クラージュ」を開発

奨励賞

特定非営利活動法人アースライフネットワーク

静岡県で小学生向けオリジナル環境教育プログラムを継続

第26回地球環境大賞 受賞内容

大賞富士通

窒化ガリウムを活用した世界最小・最高効率のACアダプター開発
 -温室効果ガス削減への貢献-

同社は、環境省が推し進める脱炭素化政策で高効率エレクトロニクスとして注目を集めている窒化ガリウム(GaN)による「GaN-HEMTデバイス(窒化ガリウム・高電子移動度トランジスタ)技術」を用いて、モバイル機器の急速充電を可能にする世界最小で世界最高電力効率(消費電力5割削減、充電時間3分の1に短縮)のACアダプターを開発した。ACアダプターのスイッチ素子にGaN-HEMTを使用し、適切なタイミングで電流を出力することで、損失電流の発生を抑制。その結果、12㍗出力のACアダプターで、世界最小の本体容積(15.6cc)、世界最高電力効率87%を達成。世界で初めて充電時間を3分の1にした。また、CO2排出量も15%削減している。2017年度以降に新規開発する製品に同技術を用いることにより、エネルギー変換効率に優れたトップレベルの製品を継続的に拡大し、環境負荷低減に貢献していく考えだ。今後はノートパソコンなどへの展開も進める予定である。

経済産業大臣賞積水ハウス

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH) 「グリーンファースト ゼロ」の普及推進

同社は2005年、「持続可能性」を経営の基軸に据えた経営を目指す「サステナブル・ビジョン」を発表。これを実現・検証するため 「環境」、「経済」、「社会」、「住まい手」という「4つの価値」によるバランスのとれた経営を目指している。2008年の洞爺湖サミットで政府は「2050年に日本のCO2排出量を60~80%削減する」と宣言。これを契機に同社は家庭部門のCO2排出量をゼロにする「2050年ビジョン」を設定し、同年の「CO2オフ住宅」販売などを経て2013年3月にネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)である「グリーンファースト ゼロ」の販売を開始した。現在、政府は2020年には標準的な新築住宅をZEHにすることを目標として掲げている。グリーンファースト ゼロの受注比率は、2015年度には受注の71%に達し、累積販売棟数は2016年9月末で2万4400棟、CO2排出削減量は年間10万㌧-CO2に達している。他社の2016年のZEH年間目標は最大で30%であり、同社のZEH比率は業界トップとなっている。

環境大臣賞レンゴー

ハード・ソフト両面におけるCO2 排出削減と全工場でのFSC認証取得

同社は創業100周年となる2009年4月に「レンゴーグループ環境憲章」を制定、グループあげて環境保全活動に取り組んでいる。具体的には、日本最大級の板紙製紙工場であり、全社の約27%のCO2を排出していた八潮工場(埼玉県)に省エネ設備を導入。埼玉県の目標設定型排出量取引制度施行を機にチーム「低燃費八潮」を結成して省エネ活動の提案から実施・評価までを継続的に取り組むPDCAサイクルを構築。これらハード・ソフト両面での取り組みの結果、同工場の2015年度のCO2排出量は1990年度比で35%削減した。さらに2016年1月には、木質チップバイオマスボイラ発電設備を導入。このほか、「Less is more」をキーワードにして環境や社会的課題の解決へ向けた革新的パッケージの開発に注力しており、同社の製紙工場と段ボール・紙器工場でFSC(森林管理協議会、本部・ドイツ)の CoC(加工流通過程の管理)取得準備を進め、2015年9月に認証取得を完了、認証製品の生産・供給体制を整備した。またグループ会社の丸三製紙が2016年6月に認証を取得、グループ内で段ボール原紙を生産する製紙工場6工場での認証取得が完了した。

文部科学大臣賞香川県立多度津高等学校

工業科と水産科を持つ地域の専門高校が環境プロジェクトを多面展開

地域の専門高校(工業科と水産科を併設)として環境問題に対して、一人一人がコツコツ取り組み、行動をすることによって大きな成果へ向けて前進している。具体的には、多度津町の用水池での「イケチョウガイによる水質浄化プロジェクト」(2013年度~)、エコハウスを建築する「TAKOU・Ecoハウス」や震災など非常時に移動や組み立てができる空間づくりとして「TAKOU・Eco茶室」などの「エコプロジェクト」(2008年度~12年度)、また建築したエコハウスを対象に「緑のカーテン計画」(2011年〜)、緑のカーテンからの知見を生かした「グリーンウォール」(2015年〜)や「グリーントンネル」(2016年〜)の構築、使い終わったかまぼこ板を活用する「廃材を利用した地域貢献」(2016年〜)、年に5−7回実施する「海浜美化活動」(毎年定期的)、カブトガニなどの採集・飼育を行う「海洋環境調査」(2015年〜)—などがある。

国土交通大臣賞大和ハウス工業

サステナブルな街づくりへ 日本初のネット・ゼロ・エネルギー・タウン(ZET)を実現

2016-18年度の環境行動計画である「エンドレス グリーン プログラム2018」では、「環境と企業収益の両立」に向け、「ライフサイクル思考にもとづくグループ・グローバル一体での環境経営の推進」をコンセプトに、環境への取り組みを加速させている。特に2025年までに戸建住宅、2030年までに建築物で平均的な新築建物の使用時CO2排出量のネット・ゼロを目指し、併せて再生可能エネルギーなどによりCO2排出ゼロの街づくりを推進している。2013年に日本初の「SMA×ECO TOWN晴美台(堺市南区)」でネット・ゼロ・エネルギー・タウン(ZET)を実現。その後3年間で三重県桑名市、愛知県豊田市、富山県富山市に新たなZETを実現した。この間、①「新たなスキームによる街づくりコストの削減」、②「街の新たな価値提案」、③「持続可能な街づくりビジョン確立」の3課題に取り組み、解決することで、より進化したZETを提供できる体制とした。同社は現在、ZETの拡大期の入口に立っており、ZETの社会への普及を目指している。

農林水産大臣賞鹿島建設

環境共生型まちづくりで地域が支える農業(CSA)の取り組み

同社は、「トリプルゼロ2050(2050年にゼロCarbon・ゼロWaste・ゼロImpactの3つのゼロを目指す)」という環境ビジョンを掲げている。「トリプルゼロ2050」では、いきもの・農的要素を用いた生態系サービス利活用技術を積極的に推進。「地域が支える農業」(CSA、コミュニティー・サポーテッド・アグリカルチャー)の取り組みを進め、農業の課題に対応するとともに、環境負荷低減や環境創造だけでなく、少子高齢化や財源緊縮という社会課題にも対応した持続可能なまちづくりを実現できるように継続した取り組みを進めてきた。具体的には、ミツバチプロジェクト(都市養蜂)、いきもの除草、屋上水田・菜園など。CSAでは、生産者と周辺のコミュニティーを結びつけ、より強固な関係を築く取り組みも試み、「循環型まちづくりのための農空間の活用方法に関する実証調査〜狛江版 CSA 〜」が実施された。

日本経済団体連合会会長賞大日本印刷

窓に使用して室内を明るくする「DNP 採光フィルム」と、多機能化の取り組み

同社グループは、印刷事業で培った技術を進化、発展させて、「光」、「熱」、「液体」、「気体」などを制御する高機能フィルムの開発を60年以上にわたり続けている。高機能フィルムのひとつ「DNP採光フィルム」は、窓ガラスに貼ることで、フィルム内部の構造により、窓から入る太陽光を天井などに効率的に反射、拡散させて、部屋全体を明るくする。自然光を有効利用することで、消費電力の削減と快適な空間の実現に寄与できる。また、紫外線を99%カットするほか、のぞき見防止効果や、窓が割れた際の飛散を防止するなど、さまざまな機能を持ち合わせている。同フィルムを使用した合わせガラスは、使用前と比べて室内の明るさが2倍に向上し、照明用電気代を13%削減できた。同社は採光フィルムにとどまらず、高い保冷性と積載効率を両立した「DNP多機能断熱ボックス」、農作物の成長を促進する「DNP反射フィルム リフレモ」など、さまざまな高機能フィルムを開発し、環境負荷の削減と持続可能な社会の実現を目指している。

フジサンケイグループ賞キリンホールディングス

アルミ缶などで国産最軽量を達成  ビール類の容器包装における軽量化の取り組み

同社は長年にわたり、容器包装の軽量化に取り組み、業界をリードしてきた。2013年に「キリングループ長期環境ビジョン」を策定し、2050年までに地球が賄うことのできる能力とのバランスが取れるように資源を循環させる「資源循環100%社会の実現」を目指し、バリューチェーンから発生する環境負荷の低減に取り組んでいる。その1項目に「容器包装を2050年までに持続可能な状態で使用していること」を掲げている。同社の扱う容器は、缶、びん、PETボトル、紙容器、樹脂容器などと、これらをまとめる2次包装がある。具体的には、アルミ缶では従来比5.5%減、6缶パックでは8%減、24缶カートンでは16%減の軽量化を達成し、国産最軽量とした。ビール用リターナブル中びんは19%減、水用2㍑PETボトルは17%減を達成。合計で年に4万710㌧減のCO2排出量削減に相当する。現在、軽量化への技術的なハードルは極めて高くなっているが、各資材メーカーと協力し、業界各社と協調し、大きな枠組みの中で軽量化・リサイクル活動を推進して、地球環境保護に努めていく考え。

奨励賞アエラホーム

省エネ基準を大幅にクリアした超省エネの長寿命住宅「クラージュ」を開発

経済産業省・国土交通省の平成25年省エネ基準(「エネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準」)を大幅にクリアした超省エネ住宅「クラージュ」を開発した。クラージュは高気密・高断熱・高遮熱住宅で、平成25年省エネ基準であるC値(隙間相当面積)の目標値5.0以下を0.47に、UA値(外皮平均熱貫流率)基準値0.87を0.53とし、国が2020年に達成を掲げる省エネ率100%以上のネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の2020年基準にも対応。開発では、アルミ箔面材付遮熱断熱材を使用し、断熱性と遮熱性を確保。断熱材のつなぎ目にアルミ気密テープを貼って徹底した気密処理を行うとともに遮熱性を最大限に発揮させた。この結果、冷暖房費、CO2排出量を66%削減、建物が75~90年もつ長寿命住宅となり木材の消費および解体による廃材も減らせ、温度ストレスを緩和させる住む人にもペットにも優しい健康住宅を実現した。

奨励賞特定非営利活動法人アースライフネットワーク

静岡県で小学生向けオリジナル環境教育プログラムを継続

地球温暖化に関する静岡県民・各種団体への支援、情報提供と情報・経験交流、政策提言と政策決定への参画、調査・研究事業などを行っている。具体的には、①静岡県民・各種団体への普及啓発・活動支援事業②地球温暖化問題に取り組む県民・各種団体などへの情報提供・活動支援事業③地球温暖化対策・再生可能エネルギー導入などに関する調査・研究事業がある。中でも①に属する「アース・キッズ」事業は、子どもたちが家庭でのエコリーダーとなり、家庭での地球温暖化防止に取り組む活動から学習するプログラム。2004年から継続実施している。実施を希望する静岡県内市町の小学校(4-6年生)を対象として、オリジナル環境教育プログラムを提供し、家庭での電気・ガス・水道などの使用量の記録や家庭内会議などの活動を経た後、子どもたちへエコリーダー認定書を授与している。参加者は、2015年度に87校5551人、通算で約4万3000人に上り、2016年度は94校約5600人が参加している。