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第19回地球環境大賞 授賞式

秋篠宮ご夫妻をお迎えし「地球環境大賞」授賞式開催

秋篠宮ご夫妻が見守られる中、日枝久・フジサンケイグループ代表からトロフィーを授与される川崎重工業の長谷

秋篠宮ご夫妻が見守られる中、日枝久・フジサンケイグ
ループ代表からトロフィーを授与される川崎重工業の長谷川聰社長(左)=8日午後、東京・元赤坂の明治記念館

産業発展と環境との共生を目指し、地球温暖化の防止や環境保全活動に熱心に取り組む企業や団体を表彰する第19回「地球環境大賞」(フジサンケイグループ主催)の授賞式が8日午後、秋篠宮ご夫妻をお迎えして、東京・元赤坂の明治記念館で開かれた。

式典では、大型ニッケル水素電池を搭載した次世代型路面電車「SWIMO(スイモ)」の開発で、大賞に輝いた川崎重工業の長谷川聰社長が「地球温暖化は人類が英知を結集して着実に解決すべき重要な課題だ。今回の受賞を励みに、世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献していきたい」と挨拶した。

また、フジサンケイグループの日枝久代表は「温室効果ガスの排出削減は、先進国と開発途上国が長期的な視点に立って世界全体の削減目標を共有し、美しい地球の生態系を守るという『地球愛』の考え方で取り組むことが必要だ」と指摘。そのうえで「あらゆる分野で環境と経済、そして社会との調和による豊かで活力にあふれた国づくりに邁進する」と強調した。

授賞式とレセプションには、産業界を中心に官界、学界などから約400人が出席。それぞれの立場から地球温暖化問題の解決に決意を新たにしていた。


秋篠宮殿下のお言葉

秋篠宮殿下のお言葉

本日、第19回地球環境大賞の授賞式にあたり、皆様とお会いできましたことを、大変うれしく思います。また、受賞された方々には、心からお祝いを申し上げます。

地球温暖化の防止や生物多様性の確保をはじめ、環境問題に対する人々の関心は近年一段と高まり、人類が自然と共存・共生していく行動は、世界的な潮流となっております。そのような中、地球環境大賞は、1992年に地球環境と共生する産業の発展、そして持続可能な循環型社会の実現を目指し、環境への負荷が少ない製品や、そのための技術を開発し、地球環境に対する社会の意識向上を図ることを目的として創設されました。

今年で19回を数えるこの賞は、産業界からはじまり、自治体、学校、そして市民グループへと表彰対象を広げながら、環境保全に熱心に取り組む人々の真摯(しんし)な姿勢を広く示し、環境に対する意識を高めることに貢献してきたといえましょう。

さて本年は、国際連合が定める国際生物多様性年にあたります。10月には名古屋市で生物多様性条約第10回締約国会議、いわゆるCOP10が開催され、わが国において地球環境の諸問題を考える一つの契機となる年になることと思います。

このような中、今後とも日本の優れた技術や知識が地球環境の保全に貢献し、世界の発展に寄与していくことは、誠に大切なことと考えます。

終わりに受賞者をはじめとする皆様が、今後とも率先して、積極的な取り組みを進めていかれることを期待するとともに、その活動がより一層広がり、地球が緑豊かな水の惑星として、末永く潤っていくことを祈念し、私のあいさつといたします。


豊かさと地球への貢献 大きな責任  川崎重工業・長谷川聰社長

川崎重工業・長谷川聰社長

第19回地球環境大賞という大変名誉ある賞を賜り、誠に光栄の極みでありますとともに、身の引き締まる大きな責任を感じております。

川崎重工業は「世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する“Global Kawasaki”」をグループミッションに掲げ、その製品と技術力とにより、地球温暖化をはじめとする環境問題に取り組み、より良い生活と環境を実現することを目指しております。

今回、受賞の対象となりました次世代型路面電車「SWIMO」は、自社開発の大型ニッケル水素電池「ギガセル」を搭載し、低炭素社会の実現に向け、環境配慮型の都市交通システムを目指し、「人にやさしい」「地球にやさしい」をコンセプトとして開発に取り組んでまいりました。材料に有害物質・危険材料を使用せず、分解が容易でリサイクル性にも優れており、環境適合性ならびに安全性も確保された電池です。

この「ギガセル」を搭載しました「SWIMO」は、電池容量20%を使用して10キロメートル以上、電池だけによる走行が可能です。また、使用した20%の電池容量は、5分間の急速充電により復旧させることができます。

また、電池だけでの走行が可能になることにより、都市景観を保持でき、路線の新設、延伸が容易になるとともに建設に伴う温室効果ガスの低減、建設コストの削減もでき、地球にやさしい交通システムの実現が可能であります。

今回の受賞を励みに「世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する」ために、今後との努力して参ります。


エコロジー経営 新たな決意

8日、東京・元赤坂の明治記念館で行われた「第19回地球環境大賞」の授賞式。受賞企業の代表、関係者らは地球を守る独自の取り組みに自信を示すとともに、たゆまぬ努力への決意も新たにしていた。


受賞 喜びの声

■経済産業大臣賞

角田義人・日立マクセル社長 当社は、豊かな社会の実現に向けて、優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献するという基本理念のもと、環境経営に取り組んでまいりました。今回の受賞を励みに、電池をはじめとする各事業分野において、持続可能な社会の発展に貢献してまいります。

■環境大臣賞

魚谷雅彦・日本コカ・コーラ会長 コカ・コーラは「サステナブル(持続可能)なパッケージ」戦略をグローバルに展開しております。この考えのもと、「人にも環境にもやさしい」製品の日本におけるさらなる充実に向け、今後とも革新的に取り組んでいきたいと考えます。

■文部科学大臣賞

片山幹雄・シャープ社長 当社は太陽光発電をはじめとする創エネ事業、LED電球をはじめとする省エネ商品の創出を通じ、低炭素社会に寄与すべく取り組んでいます。また今回の受賞を励みに、環境社会活動についても一層注力し地球環境への貢献を果たして参ります。

藤森涼子・気象キャスターネットワーク代表 このような大きな賞を頂くことができて大変感激しております。これからも私たち気象キャスターは、異常気象による被害を減らすためにも「地球温暖化防止のメッセンジャー」として、気象、環境教育に力を入れて参ります。

■国土交通大臣賞

南雲忠信・横浜ゴム社長 持続可能な社会の実現に向けて、エコタイヤを初めとする環境貢献商品の開発や、国内外の全生産拠点で森を創生する「YOKOHAMA千年の杜」プロジェクトなる植樹活動を進めています。今回の受賞を大きな励みとし、さらに取り組みを強化してまいります。

■日本経団連会長賞

塩野紀子・エスエス製薬社長 全工場・物流センターにおけるゼロエミッションの達成に対し高い評価を頂き、大変光栄に存じます。生活者の健康を守る“セルフメディケーション”をサポートしてきた私たちは、地球の健康を守っていくことも大切な役目であると考えています。今回の受賞を励みに、今後もより良い環境づくりに取り組んでまいります。

■フジサンケイグループ賞

佐藤正敏・損害保険ジャパン社長 長期的視点でグローバルな課題解決に向けた保険・金融商品の開発や、先駆的に社会的責任投資の普及に取り組んだことを高く評価いただき、大変光栄です。今後も、グループをあげて持続可能な社会に貢献する幅広いソリューションを提供してまいります。

■フジサンケイビジネスアイ賞

更家悠介・サラヤ社長 ボルネオのゾウたちも喜んでくれることと思います。これを励みに地球環境に少しでも貢献し、また人と生物が共生できるよう、持続可能な経済活動の推進にさらに努力します。そして本業を通じて、「世界の衛生・環境・健康」に貢献するため、グローバルな商品とサービスの提供に今後とも頑張ります。

■地球環境会議が選ぶ優秀企業賞

荻田伍・アサヒビール会長 当社はこのたび「自然の恵みを明日へ」をスローガンに、中期環境計画「環境ビジョン2020」を策定いたしました。今回の受賞を励みに、持続可能な社会の実現に向けた取り組みをより一層推進してまいります。

■環境地域貢献賞

橋本勝秀・栃木農業高等学校校長 農業高校の視点から故郷の自然を見つめ、足尾銅山と遊水地のヨシ湿原との環境交流活動に取り組んできました。今後は、さらなる地域農業の活性化を目指し、NPO法人などと協働しながら環境教育に貢献してまいります。

伊藤滋・エコッツェリア協会理事長 当協会は企業の本社が多数集積する“大手町・丸の内・有楽町地区”から、独自の環境啓発・対策提言の発信に努めてまいりました。今後も産官学民の連携を深めながら、地域への貢献ができるよう環境と共生する先進的なまちづくりに寄与していく所存です。


環境談義“満開” 広がる活動

朝から青空が広がる中、明治記念館の庭園に勢ぞろいした受賞企業・団体の代表。秋篠宮ご夫妻をお迎えしてのご懇談では、出席者が循環型社会の実現に向けたそれぞれの取り組みを説明するなど、環境談義に花を咲かせた

朝から青空が広がる中、明治記念館の庭園に勢ぞろいした受賞企業・団体の代表。秋篠宮ご夫妻をお迎えしてのご懇談では、出席者が循環型社会の実現に向けたそれぞれの取り組みを説明するなど、環境談義に花を咲かせた

第19回「地球環境大賞」の授賞式後のレセプションには、受賞者に加えて、産業界や官界、教育関係者ら参加。和やかなムードの中で歓談する受賞者らの表情には、本格的な低炭素化社会づくりへの意欲が満ちあふれていた。

アサヒビールの荻田伍会長は「水や穀物など自然の恵みを生かした事業を進めているので、その認識のもとで世界の環境保全に貢献したい」と改めて強調。その上で、中国・青島ビールとの提携関係強化など世界戦略を進める際に「新興国などが求める環境技術の要請に応えてきたい」との意気込みを語った。

損害保険ジャパンの佐藤正敏社長も、国際貢献を課題の一つとして重要視。干魃(かんばつ)など気候変動のリスクにさらされるタイの農業従事者を対象とする保険販売に乗り出したことに関連し、「お金の流れを通じて世界の環境保全を後押ししたい」と強調した。

一方、教育の大切さを説いていたのは、シャープの片山幹雄社長。シャープ自体が環境に配慮した技術や製品の開発に力を入れている。それだけに片山社長は「学校での環境授業は理科離れの防止にもつながる」と説く。2006年からNPO法人気象キャスターネットワークとともに、「小学校環境教育」を展開。今年1月に受講児童数が累計10万人に達した。これを契機に「環境教育に一段と力を入れたい」。

横浜ゴムの南雲忠信社長も、「今回の受賞は環境活動に参加する社員の意識を高める契機になる」と期待する。意識改革と技術革新を両輪に“環境経営力”を高めることに全力をあげているだけに、今回の受賞をバネに、一段の環境先進企業への飛躍を目指したい考えのようだ。


    

深化する活動を社会全体に 審査委員長講評・有馬朗人氏 

審査委員長講評・有馬朗人氏

今回の審査を通して改めて感じましたのは、環境問題の解決に向けた各社のさまざまな活動は年々深化しており、その取り組みにも幅が出てきたことです。

二酸化炭素(CO2)の削減については応募企業の多くが絶対量削減目標を持つようになり、生物多様性の保全などにも積極的に取り組む様子がうかがえました。

また、温室効果ガスの削減をはじめ、古紙や繊維、プラスチックの再生利用への努力、電池など先端技術分野の開発、さまざまな種類の電力のベストミックスの構築、環境教育への取り組みなど、この地球環境大賞にふさわしい成果をあげていることも大変嬉しく思います。環境のフロントランナーともいえるこうした企業の素晴らしい取り組みが社会のすそ野に広がってこそ、一段とその意義が高まる、との思いを強く持ちました。

地球環境大賞を通して社会全体の水準が上がることを期待したいと思います。


「地球愛」からの取り組み必要 フジサンケイグループ・日枝久代表

フジサンケイグループ・日枝久代表

温暖化防止をはじめとする地球的規模での環境問題の解決が、今日ほど求められている時代はありません。温室効果ガスの排出削減をめぐっては、先進国と開発途上国が長期的な視点に立って、世界全体の削減目標を共有し、美しい地球の生態系を守るという「地球愛」の考え方で取り組むことが必要であります。

国内では今後の温暖化対策を方向づける「地球温暖化対策基本法案」がまとまり、対策の具体化に向けて議論が進められております。最大の課題である二酸化炭素(CO2)の排出量削減には低炭素社会の実現がなにより重要なことはいうまでもありません。地球温暖化の防止に向けては、企業や自治体などが果たす役割が、ますます重要となっております。地球環境大賞が、そうした企業・団体の、地道で、たゆみない環境活動の励みとなり、より良き社会や新たな時代の創造に少なからず寄与することができますことは、誠に喜ばしい限りでございます。私どもフジサンケイグループは、地球環境大賞をはじめ、あらゆる分野で「環境」と「経済」、そして「社会」との調和による豊かで活力にあふれた国づくりに向け、これまで以上に邁進(まいしん)して参りたいと考えております。

真の環境立国に向け勝負時 WWFジャパン・コ川恒孝会長

WWFジャパン・徳川恒孝会長

世界の人口は現在の68億人から2050年には93億人に増えるといわれています。そのとき、「果たして人類は、現在のような生活環境を維持できるのか」「それよりも人類は生き残れるのか」といった複雑で多岐にわたる問題に直面します。

日本は歴史と文化を育んできた中で、自然と共生しながら発展してきたユニークな国です。

今後、世界が直面する環境問題に人類として進むべき道を示すことができると認識しています。

今年は国際生物多様性年であり、10月には生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が、名古屋で開催されます。

今回の地球環境大賞を審査する過程で強く印象に残りましたのは、応募企業のほとんどが絶対量で二酸化炭素(CO2)削減目標を持つようになったことと、生物多様性保全に取り組まれる企業が増えるなど、全体として活動の幅が広がったことだと思います。

日本という国がリーダーシップをもって、真の環境立国となれるかどうかは、ここからが勝負だと思われます。

今こそビジネスチャンス 乾杯あいさつ 大和ハウス工業・樋口武男会長

乾杯あいさつ 大和ハウス工業・樋口武男会長

今回、受賞された各社には心からお祝いを申し上げます。現在、世界が直面している地球温暖化という問題は人類にとって大きな試練となっています。世界の二酸化炭素(CO2)排出量は1年間に約270億トンといわれていますが、そのうち地球が吸収してくれるCO2の量は114億トンほどなので、2倍を超える量のCO2を排出していることになります。そういうことからも、この問題はしっかりと解決しなければなりません。

また、最近の中国やインドなど新興国の経済成長を踏まえると、日本が持つ先端技術が果たす責任や役割は大変大きいのです。

われわれは世界が日本に大きな期待を寄せていると自覚して取り組んでいきたい。まだ、国内経済は不況下にありますが、環境問題も一つのビジネスチャンスになると前向きにとらえ、明るく楽しく過ごせる社会を作るために前進をしなければなりません。本日、受賞した企業の皆さんと、人類が明るく安心して暮らせる社会作りのために一緒に取り組んでいきたいと思います。



電池でスイスイ 人間味あふれる低床車両 川崎重工業 次世代型路面電車「SWIMO」

試験走行する電池駆動のSWIMO。モダンなデザインの低床車両は路面ぎりぎりの所を滑るように走行する=兵庫県播磨町の川崎重工業播磨工場

試験走行する電池駆動のSWIMO。モダンなデザインの低床車両は路面ぎりぎりの所を滑るように走行する=兵庫県播磨町の川崎重工業播磨工場

世界的に路面電車への再評価が進んでいる。環境への負荷が低いうえに、高齢者も乗降が容易など人にもやさしいためだ。その中でも次世代型として、自治体関係者らの注目を集めるのが、第19回地球環境大賞を受賞した川崎重工業の「SWIMO(スイモ)」だ。バッテリーだけでもスイスイと走る未来の電車は、人間味にあふれていた。

■回生電力を再利用

瀬戸内海に面した同社播磨工場(兵庫県播磨町)。大きな車庫から姿を現したSWIMOの屋根の上は、やたらスッキリしている。それもそのはず路面電車にお決まりの架線がなく、パンタグラフも折りたたまれているためだ。

SWIMOは、大容量ニッケル水素電池「ギガセル」に蓄えた電気でモーターを回し、走行する電池駆動車だ。パァ〜ンと軽やかな警笛を響かせ、3つに分割された長さ15メートルのSWIMOがゆっくりと動き出したが、カーブもスムーズに曲がり、実に軽やかな走行をする。

播磨工場に敷設された周回用試験レールは約1.4キロ。このうち架線区間は400メートルにとどまる。SWIMOはもともとギガセルに蓄えた電気だけで10キロ走る能力がある。架線区間は架線からの電力で動くだけでなく、同じ距離を走れる電気を蓄電できるため、急速充電設備がなくても余裕で16周できてしまう計算だ。設置された急速充電設備で3〜5分間充電すれば、さらに16周の走行が可能。

国内の路面電車の一路線あたりの距離は平均10キロ程度という。つまり、始発・終着駅で充電すれば架線の電力を使わずに、何往復もできることになり、架線を使わない路面電車網も築ける。

だが、SWIMOの最大の特徴は、格段に優れた環境性能。ギガセルを搭載し、制動時の回生電力をむだなくギガセルに蓄えて再利用することで、使用電力量を従来の路面電車より3割以上も減らした。


分譲マンションの屋上にびっしり敷き詰められた太陽熱パネル

■「常識」覆す極小車輪

SWIMOは人へのやさしさにもあふれる。乗降口の路面から床面までの高さはわずか33センチ。路面電車は、車輪の直径が36センチ程度ないと脱線するといわれる。しかし、その“常識”に挑み、車輪を20センチにまで極小化させたことで驚異的な低床化を実現した。

「極小車輪は非常識とされてきたが、脱線のメカニズムを解析し、その防御システムを取り入れた」

SWIMOの開発に設計段階から取り組んできた車両カンパニーの奥保政技術本部長は、こう胸を張る。

播磨工場でSWIMOに試乗して思いだしたのは、かつて赴任していた広島市での体験だ。市内を走る路面電車内は人と人との触れあいの場であり、見知らぬ乗客がよく小さいわが子にも優しく話しかけてくれた。このせいか、東京都豊島区には路面電車の導入を求める会があり、2008年夏には高野之夫区長が区議有志らとともに播磨工場を訪ねている。SWIMOが街を走る光景は、人の心をなごませる。大きな期待を担って今、SWIMOが発進しようとしている。(飯塚隆志)



「ヨシ堆肥化、報われた」栃木農業高生徒

授賞式とレセプションには地域で環境活動を続けている高校生も出席し、会場では企業関係者が若いパワーと交流する光景もみられた。

出席したのは「環境地域貢献賞」を受賞した栃木県立栃木農業高校の橋本勝秀校長と3年生の天海(あまがい)美里さんらのグループ。ヨシの堆肥(たいひ)化や、足尾銅山跡地に緑を取り戻す地道な活動が評価され、受賞につながった。

天海さんは「これまでの活動が報われました。今後は堆肥だけでなく、よしずなどに応用していきたい」と力を込める。

同校が堆肥にしているのは、渡良瀬川下流の遊水池に生い茂り、野焼きされてきたヨシ。同校の生徒らはこれを刈り取って短く刻み、腐食を早めて堆肥に使えるようにした。この堆肥を使い、足尾銅山跡地にドングリの苗を植える運動も行っているという。

一方、「ゼロエミッション」の提唱者で、第14回地球環境大賞のフジサンケイグループ特別賞を受賞した伊トリノ大のグンター・パウリ教授も授賞式に出席した。

パウリ氏は「現在の地球環境を考えると、改善活動だけでは対応しきれない。(環境配慮型製品などの開発につながる)技術革新をもっと増やすことが必要」と述べ、省エネ技術のさらなる進展に期待を寄せた。また、受賞した企業の栄誉をたたえる一方で、「決して現状に満足してはならない」と企業に要望した。

レセプションには「さかなクン」の愛称で知られ、テレビ番組でも活躍する東京海洋大学客員准教授の宮澤正之さんや、歌手の加藤登紀子さんも姿を見せ、出席者と談笑していた。



■過去の「地球環境大賞」受賞企業

第1回(1992年) キヤノン 第11回(2002年) 松下電器産業(現パナソニック)
第2回(1993年) 日立製作所 第12回(2003年) リコー
第3回(1994年) 日本IBM 第13回(2004年) 松下電工(現パナソニック電工)
第4回(1995年) キリンビール 第15回(2006年) 旭化成グループ
第5回(1996年) 富士通 第16回(2007年)  ライオン
第6回(1997年)  東日本旅客鉄道 第17回(2008年)  TDK
第7回(1998年)  トヨタ自動車 第18回(2009年) 大和ハウス工業
第8回(1999年) ミサワホーム    
第9回(2000年)  日本電気    
第10回(2001年) ソニー    

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