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第22回地球環境大賞 授賞式

アサヒグループなど表彰

「第22回地球環境大賞」を受賞し、日枝久・フジサンケイグループ代表(右)からトロフィーを授与される泉谷直木・アサヒグループホールディングス社長=22日、東京・元赤坂の明治記念館

産業の発展と地球環境との共生を目指し、温暖化の防止や環境保全活動に熱心に取り組む企業や団体を表彰する第22回「地球環境大賞」(主催・フジサンケイ グループ)の授賞式が22日午後、秋篠宮ご夫妻をお迎えして、東京・元赤坂の明治記念館で開かれ、各賞受賞者に表彰状とトロフィーが手渡された。
 式典では、「砂糖・エタノール逆転生産プロセス」の開発で大賞に輝いたアサヒグループホールディングスの泉谷直木社長が「今回の受賞を機に、食料の源である『農業』の発展と、自然の恵みを原料とする『工業』の発展を同時に達成させたい」と述べ、持続可能な社会の構築に向けて、全力を尽くす姿勢を示した。

また、フジサンケイグループの日枝久代表は「環境・エネルギー問題が大きくクローズアップされ、日本の経済社会の行方を大きく左右する重要な転換点を迎えている」としたうえで、「世界を見渡すと、深刻な大気汚染問題などがあり、人類共通の課題として解決しなければならない。われわれが英知を結集して低炭素社会の実現に向け、全力で取り組んでいくことが何よりも重要」と強調した。

 今回から地球環境大賞顕彰制度委員長を務めるキヤノンの御手洗冨士夫会長兼社長CEOは「日本は多くの難問題を抱えているが、美しい地球を次代へバトンタッチすることがわれわれの大きな責務。地球環境大賞の社会的評価をさらに高めていきたい」とあいさつした。

授賞式後のレセプションには産業界を中心に官界、学界などから約450人が出席。受賞者を祝福する一方で、交流の輪が広がった。


秋篠宮殿下のお言葉

授賞式でお言葉を述べられる秋篠宮殿下=24日、東京・元赤坂の明治記念館

本日、第22回「地球環境大賞」の授賞式にあたり、皆様とお会いできましたことを、大変うれしく思います。また、このたび各賞を受賞される方々に心からお祝いを申し上げます。

地球温暖化や自然災害の防止、生物多様性の保全など、環境諸問題に対する人々の関心や意識は、年々高まってきているように感じます。そして人類が自然と共存、共生していく行動は世界的な傾向となってきております。また、近年は深刻な大気汚染をはじめ、人々の生活に大きな影響を及ぼす問題も少なくありません。そのような中、緑豊かな水の惑星といわれるこの地球が、多くの貴重な生命を末永く育んでいくことができるよう、環境に関わる諸問題の解決に積極的に取り組んでいくことが大切といえましょう。

さて、この地球環境大賞は、地球環境と共存する産業の発展や、環境に負荷が少なく持続可能な循環型社会の実現に寄与する製品とそのための技術の開発、地球環境に対する社会の意識向上、そして自然環境保全を通しての社会への貢献を図ることを目的として、1992年に創設されました。

今年で22回を数えるこの賞は、産業界から始まり、自治体、学校、そして市民グループへと表彰対象を広げながら、環境活動に熱心に取り組む人々の姿勢を広く顕彰し、環境に対す る意識を高めることに貢献して参りました。今後とも、日本の優れた技術や知識が地球環境の保全に貢献し、世界の発展に寄与していくことは、誠に大切なことと考えます。

終わりに、受賞者をはじめとする皆様が、今後とも率先して積極的に取り組みを進めていかれることを期待するとともに、その活動がより一層広がりを見せることを願い、私のあいさつといたします。


持続可能な社会の構築に貢献 大賞受賞あいさつ アサヒグループHD社長・泉谷直木氏

秋篠宮ご夫妻ご臨席のもと開かれた授賞式の会場

 この度、第22回「地球環境大賞」を頂き、大変光栄です。私たちアサヒグループは、2001年からサトウキビを原料とした砂糖とバイオエタノールの研究 開発に取り組んでいます。地球上の限られた農地、特に、従来は作物生産が困難であった痩せた土地においても、多くの収穫量が期待できる「高バイオマス量サトウキビ」を、九州沖縄農業研究センターと共同で開発しました。

また、それを原料として、食料である「砂糖」と石油代替燃料である「バイオエタノール」を同時に増産させる画期的な生産プロセスとして、「逆転生産プロセス」を開発しました。農業側でのサトウキビ開発と、工業側でのプロセス開発、これらの組み合わせにより、不良環境地域においても、砂糖・エタノール生産量を約2倍に向上させることができます。

この逆転生産プロセスは、アサヒグループが長年培ってきたアルコール発酵技術により開発された技術であり、まさに「逆転の発想」で生まれた画期的なイノベーションです。

私たちアサヒグループは、農工融合の発想で、食料の源である「農業」の発展と、自然の恵みを原料とする「工業」の発展を同時に達成し、環境面・経済面双方で持続性のある「事業」として、持続可能な社会の構築に貢献してまいりたいと考えています。


有限の恵み 無限の英知で継承

春の日差しの中、東京・元赤坂の明治記念館で行われた第22回「地球環境大賞」の授賞式。会場には産学官から多くの関係者が駆けつけ、受賞者を祝福するとともに、あちこちで歓談の輪が広がった。


受賞 喜びの声

■地球環境大賞

泉谷直木・アサヒグループホールディングス社長 「砂糖・バイオエタノール逆転生産技術」の開発は、2002年から取り組んでいる研究成果の一つであり、弊社のアルコール発酵技術によって砂糖とバイオ燃料の同時増産を可能にする画期的な技術です。今回の受賞を励みに、今後も弊社が掲げる「自然の恵みを明日」という環境経営の理念のもと、持続可能な社会の構築に貢献してまいります。

■審査委員特別賞

中貝宗治・兵庫県豊岡市長 コウノトリの野生復帰をシンボルとする「コウノトリも住める」まちづくりが評価され、大変うれしく思います。環境と経済が共鳴する環境都市「豊岡エコバレー」の実現に向け、これからも果敢に大胆に挑戦してまいります。

■経済産業大臣賞

筒井清志・NTTファシリティーズ社長 ICT(情報通信技術)、エネルギー、建築の技術を融合し、地球環境を考えた安心安全な街づくりを推進することが私たちの使命です。今回、当社の事業を高くご評価いただいたことは大変光栄であり、これを励みに、持続可能な発展に向けてより一層の研鑽(けんさん)を重 ねてまいります。

■環境大臣賞

杉山仁朗・富士特殊紙業社長 当社が環境負荷の高い有機溶剤を極力使用しない水性グラビア印刷に切り替えるためのイノベーションに、多くの関係者のご協力のもとに取り組んで15年、実用化に成功した実績に高いご評価をいただき光栄に存じます。

■文部科学大臣賞

内田淳正・三重大学学長 学生と教職員が一丸となって進める環境マネジメントシステム、スマートキャンパスへの取り組みなど幅広い環境活動が高く評価され、誠に光栄に存じます。今回の受賞を励みとして「世界一の環境先進大学」を目指し、ますます環境活動を推進します。

■国土交通大臣賞

竹中統一・竹中工務店会長 先進的な木造・木質建築をはじめとする環境活動を高く評価いただき光栄に存じます。本受賞を励みとして、今後も当社環境メッセージ「人と自然をつなぐ」の下、環境への取り組みを深め、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。

■日本経済団体連合会会長賞

竹下道夫・宇部興産社長 このたびは当社の樹脂リサイクル技術を高くご評価いただき、大変光栄に存じます。今回の受賞を励みに、持続可能な社会の実現に向けて、省資源、省エネルギー、環境負荷低減に貢献する技術や製品の開発、普及への取り組みを一層推進してまいります。

■フジサンケイグループ賞

伊藤雅俊・味の素社長 21世紀の人類社会の課題:「地球持続性」「食資源」「健康な生活」の解決に向けた取り組みを高くご評価いただき、誠に光栄に存じます。今後も、100年にわたって蓄積してきた「食」やアミノ酸に関する知見や技術を生かし、事業を通じて人と地球のサステナビリティーに向けて尽して参 ります。



低炭素社会実現へ全力

フジサンケイグループ代表・日枝久氏

フジサンケイグループ代表・日枝久氏

 本日ここに、秋篠宮同妃両殿下のご臨席を賜り、御関係の多くの皆様のご出席のもと、第22回「地球環境大賞」の授賞式を行わせていただきますことを心から感謝申し上げます。

東日本大震災から2年がたちました。被災地では今なお、多くの方々によって懸命な復旧・復興作業が続けられております。この間、環境・エネルギー問題も大きくクローズアップされ、日本の経済・社会の行方を左右する重要な転換点を迎えております。世界にはまだ深刻な大気汚染問題など、環境に関するさまざまな問題があり、人類共通の課題として解決していかなければならず、私たち一人一人が英智を結集し、低炭素社会の実現、持続可能な社会の構築に向け全力で取り 組んでいくことが、何より重要であります。

さて、今年で22回目を迎えるこの地球環境大賞は、私どもフジサンケイグループが「産業の発展と地球環境との共生」を基本理念に、1992年に発足いたしました。両殿下におかれましては、当初から一貫してご臨席を賜るとともに、関係各方面からのご協力と、ご理解をいただきながら、おかげさまで日本を代表する環境顕彰制度として広く社会に定着してまいりました。私どもにとりまして誠に喜びに堪えません。

フジサンケイグループは、社会の持続的発展のため、今後とも地球環境大賞をはじめ、あらゆる分野で「環境」と「経済」、そして「社会」との調和による豊かで活力にあふれた国づくりに向け、邁進(まいしん)していく所存であります。

今後とも、皆様方のなお一層のご支援を賜りますようお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。

美しい地球を次代の人に

顕彰制度委員長・御手洗冨士夫氏

顕彰制度委員長御手洗冨士夫氏

ただいまご紹介に預かりました、顕彰制度委員長の御手洗でございます。

本日は、秋篠宮同妃両殿下のご臨席を賜り、このように、第22回「地球環境大賞」の授賞式を迎えることができましたことを、心から感謝申し上げます。そして、本日、受賞される皆様に、心よりお祝い申し上げます。

東日本大震災の発生から2年余りが経ちますが、被災地の一日も早い復旧・復興の実現など、日本はいま、多くの難問を抱えております。こうしたなか、環境問題の解決は人類共通の課題ともなっており、美しい地球を次代の人たちにバトンタッチすることが、われわれの大きな責務であると考えております。

この地球環境大賞は、20年以上の長きにわたり関係者の皆様方のご尽力、ご努力により、権威と影響力のある顕彰制度として、高い評価と支持を得ております。今回、顕彰制度委員会委員長という重責を担うことになりましたが、本賞の社会的な評価をさらに高め、社会・経済の持続的発展の一助となるよう、努めてまいる所存でございます。

今後ともより一層のご理解・ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

活動・技術は年々多様化・高度化

審査委員長講評 有馬朗人氏

審査委員長講評・有馬朗人氏

今回は、全国の企業や団体、地方自治体、大学などから合計105件の応募が寄せられました。環境問題の解決に向けた各社のさまざまな活動や技術は年々多様化・高度化しており、二酸化炭素(CO2)の排出削減による温暖化防止策や生物多様性の保全など、持続可能な循環型社会の実現に向けてその取り組みにも一段と幅が出てきたことを、審査を通じて実感いたしました。

審査にあたっては、委員各位の評価を十分吟味したうえで、点数の優劣ではなく、それぞれの選考基準に沿って各賞受賞を決めました。協議の結果、今回は審査委員特別賞も設けました。それぞれが「地球環境大賞」の理念にふさわしい成果をあげていることは大変喜ばしいことであり、こうした企業や団体の素晴らしい取り組み、環境活動が社会の裾野に広がり、地球環境問題に対する社会全体のレベルアップにつながることを大いに期待したいと、改めて感じました。

第22回を迎えた本顕彰制度が今後、ますます充実し、地球環境の保全活動に積極的に取り組む産学官、市民グループの良き指針となることを願っております。


クリーンな地球伝えたい 乾杯あいさつ WWFジャパン会長 コ川恒孝氏

WWFジャパンの徳川恒孝会長=写真右=に産経新聞社の清原武彦会長から寄付目録が手渡された。

レセプション会場では、地球環境大賞に特別協力しているWWFジャパンの徳川恒孝会長に産経新聞社の清原武彦会長から寄付目録が手渡された。徳川会長は「先日、海外でこの大賞のことをお話ししたところ、日本の経済界や企業が20年以上にわたって地球環境問題に熱心に取り組んでいることに驚かれていました。引き続き、環境問題への取り組みが広がっていくことを強く願っています」とあいさつした。


450人が環境談義に花 決意新たに

授賞式に引き続き行われた記念レセプションには受賞関係者や経済界を中心に国内外の来賓など約450人が出席し、環境談義に花が咲いた。壇上は挨拶するWWFジャパンの徳川恒孝会長

第22回「地球環境大賞」の授賞式後のレセプションには、受賞者に加え、経済界などから多数の関係者が出席した。受賞者は喜びを分かち合うとともに、環境問題への取り組みなどについて意見を交わし、交流を深めた。

 会場では秋篠宮ご夫妻を囲む形で受賞者の輪が広がり、今回の受賞の決め手となった技術などについて、積極的にアピールする姿も見られた。

三重大学からは内田淳正学長のほか、環境ISO学生委員会の委員長を務める舘明宏さんをはじめとして、数人の学生も出席した。舘さんらは、秋篠宮殿下に、2カ月に1回の割合で、近くの海岸清掃を行っていることなど具体的な活動を説明。「ぜひわれわれの活動をご覧頂きたい」と語っていた。

竹中工務店の竹中統一会長は模型を使って、秋篠宮殿下に耐火木造部材の性能を紹介。「とても熱心に話を聞いてくださった」(竹中会長)といい、「受賞はとても光栄。技術を森林再生に役立てたい」と改めて誓っていた。

味の素の伊藤雅俊社長は、秋篠宮殿下にアミノ酸のリサイクルに関する説明を行った。また、妃殿下には海外の貧しい子供たちに栄養バランスの整った食事について助言する、栄養指導の仕事について紹介した。妃殿下からは「子供の栄養はとても大切なことです」とのお言葉をいただいたという。

また、各企業のトップからは、今回の受賞を機に環境対策をさらに強化したいとの声が相次いだ。

アサヒグループホールディングスの泉谷直木社長は「世界の人口が増え続けることに伴い砂糖が不足し、エネルギーも足りなくなる。今回の技術はその両面に貢献するもので、二酸化炭素(CO2)の削減にもつなげたい」と語った上で、2015年の実用化に意欲を示した。

宇部興産の竹下道夫社長は「家電や自動車の部材など生活者がみえるところにプラスチック廃材を応用する流れを広げ、事業として成り立つようにしたい」と環境とビジネスの両立性を強調した。

NTTファシリティーズの筒井清志社長は「エネルギー需給を最適に制御し環境に貢献するスマートコミュニティー(環境配慮型都市)を日本各地の街に広げる足がかりが今回の技術。それを民主導で進め、成功モデルを増やしたい」と意気込んだ。また、富士特殊紙業の杉山仁朗社長は「新技術による食品包装用パッケージの普及を後押しし、大気汚染の問題の解決に貢献し現場で働く作業員の環境も改善したい」と語った。

秋篠宮ご夫妻が何度も足を運ばれた兵庫県豊岡市からは、地元産の日本酒が紹介された。安全・安心な米と生物多様性を育む「コウノトリ育む」農法でのコメ栽培に取り組む「コウノトリの郷営農組合」は、ご夫妻に米を披露した。


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